東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

費用の心配なく 予防ワクチン受けたい

ワクチン接種 公費助成広がる 東京都では7自治体で助成

 子宮頸がん予防ワクチンが受けられるようになって半年がたちました。「子宮頸がんはワクチンで予防できる唯一のがん。女性の命を守りたい」と関係者の努力や運動で公費助成が全国に広がっています。東京ほくと医療生協の議会請願・陳情の様子を紹介します。

東京ほくと医療生協の取り組み

署名と陳情書を手渡す東京ほくと医療生協の乾さん(左)
署名と陳情書を手渡す東京ほくと医療生協の乾さん(左)

 東京都は2010年度から子宮頸がんワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンの予防接種を補助対象とし、都内の自治体が実施する接種事業にかかった費用の半分を都が負担する新制度をはじめました。

自治体の裁量次第

 しかし、接種事業に子宮頸がんを含めるかどうかは自治体の裁量にかかっているため、すべての自治体で接種できるわけではありません。新日本婦人の会が調べた全国の公費助成の状況は、2都県と140市区町村にわたっています。東京都では7自治体で助成がおこなわれています。
 予防ワクチンは自費で1回1万5000円前後、接種は3回必要なので合計4万5000円から5万円かかります。この費用負担の多さが大きな障害となっています。

陳情書を区議会へ

 東京ほくと医療生協では「費用の心配なく子宮頸がん予防ワクチンを受けたい」という組合員からの声に応え、署名に取り組み、「子宮頸がんワクチンの助成制度を求める陳情書・意見書」を自治体に提出しました。
 6月10日、荒川生協連絡会の8人が、4240筆の署名を添えて陳情書を荒川区議会に提出しました。
 生協連絡会は、区内の東京ほくと医療生協、東京ふれあい医療生協、コープとうきょう、パルシステム東京、東都生協の5つの生協の連絡会です。医療生協だけでなく、購買生協も一緒に署名に取り組むことができました。5つの生協が一緒に区ヘ陳情するのは初めてのこと。様々な困難もありましたが、それを乗り越えて人口の2%にあたる署名を提出できたのは画期的です。今後も5つの生協で様々な協同が進む足がかりをつくったといえます。
 購買生協の方々も、自分の周りの子育て世代の知人、友人に頼み、区内に「子宮頸がんワクチンの助成を」の声が広がっています。

“早く実施”の声を

 6月25日の区民生活委員会で急きょ陳情の審議がおこなわれ、「助成制度ができたらどのように推進していくのか」「ワクチン接種と合わせて性教育と検診率の向上をどのように進めていくか」という点で審議され、全会派一致で採択されました。7月1日の本会議で最終決定され、国に意見書が提出されました。
 荒川区は全額助成でおこなう方向で議論がなされ、実施時期については議長から「年度内実施も含めて検討を」と強い要望も出されているので、来年度を待たず一日も早く実施されるよう声を上げていくことが重要です。
 このほか、北区議会、足立区議会にも同様の趣旨で意見書・陳情書が出されました。北区議会では公費助成制度を国に求める意見書の採択、陳情書の趣旨採択がされました。足立区議会では陳情書を「継続審議」とし、8月議会で審議することとなりました。(東京ほくと医療生協・乾招雄)