東京民医連

東京民医連のご紹介

みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

高齢者の受療権守る総訪問行動を成功させよう

患者さんの様子分かった 職員が外へ出る大切さ共有

 全日本民医連の「高齢者の受療権を守るための総訪問行動」の提起にこたえ、各地で訪問行動がおこなわれています。

《北区桐ヶ丘では》

総訪問行動に出発前の職員(健友会)
総訪問行動に出発前の職員(健友会)

 北区桐ヶ丘では、診療所と桐ヶ丘訪看ステーションの職員6人で3組作り、診療所に近い方10人を訪問しました。留守宅が7軒、本人や家族と話ができた方は3軒でした。
 89歳の男性・独居。昨年10月、膀胱腫瘍と診断され東十条病院に手術目的で入院しましたが、肺炎を発症し手術できないでいるという昨年暮れの情報でした。本人と直接、話ができました。どこも受診せず、薬も飲んでいませんでした。「89歳になったし、すべてを天にまかせることにした」と話していました。
 1週間前から血尿があり、明日病院に行く予定だが、雨が降ったら行かないといいます。翌日、診療所に電話があり、「今日は雨だからいけない」と言ってきました。スタッフが説得を試みましたが、本人が固辞しました。気丈夫な性格ですが、診療所として今後も連絡をとっていくことが必要と考えています。
 そのほか自覚症状がなくなると中断してしまう、慢性疾患の特徴的なケースなどがありました。
 今回の訪問は、高齢者の受療権を守る目的でおこないました。職員が外に出て訪問することの大切さを共有できました。また医療上、継続していくことの重要さを実感できる機会となり、会えない方も多くいましたが、その点での収穫は大きかったと思います。(桐ヶ丘団地診療所 重盛秀貴)

《中野では》

 中野では4月21日、65歳以上の診療中断、窓口一部負担金の未納など「気になる」患者さん宅を、中野共立病院・診療所などの職員が訪問しました(写真)。4月入職の新人も4人参加。目的は中断、未納などの背景にある生活困難や要望などをつかむことです。診療中断5人、未納(未収金)2人、生活状況や服薬状況の把握目的3人の計10人をリストアップ(疾患では高血圧・糖尿病が多い)。当日は8軒を訪問し、7軒で本人、家族と会えました。
 血圧が200台だが、足が悪くなり診療所まで遠くて診察にこれない患者(独居・年金ほとんどなし)、家族は仕事で忙しく診察に同行できず中断している認知症がある糖尿病の患者、パチンコ依存でお金が安定せず、医療費が心配と診療中断と未収金がある糖尿病の患者、服薬の自己管理が困難な患者は、スーパーの弁当を数回に分けて食べているなど、様々な生活の様子が分かりました。
 年金生活の女性には、「弟さん(故人)の治療費の負担が大変だったのではないか」と心配して訪問したのですが、「患者を心配して自宅まで訪問する病院ってないですね」と大変感謝されました。
 参加した職員からは、「患者さんの様子が分かった」「診療中断は、経済的な問題と診療所までの遠さ、家族の条件など、様々な問題があると感じた」などの感想が寄せられました。(健友会 塚本晴彦)