法人を超えた連帯で困難を打開しよう
法人を超えた連帯で困難を打開しよう
東京民医連第50回定期総会開催
3月19・20日の両日、東京民医連第50回定期総会が代議員198人の参加でセミナーハウス「クロスウェーブ府中」で開催されました。今回の総会では、昨年の総選挙で発足した民主党を中心とした政権が、沖縄基地の移転問題や後期高齢者医療制度の廃止先送りなど、国民の意思とは逆行する方向へ進みつつある中、私たち東京民医連の向う2年間の方針を決定しました。
医師・看護師の養成、中小病院など 新しい方向性を提案
総会第一日目全体会
第50回という記念すべき総会は9時30分に開会、露木静夫副会長が「第50回総会では、医師・看護師の養成の課題、中小病院・小法人の問題、経営問題などについて深く議論し新しい方向性をつくっていただきたい」と開会のあいさつ。最初に総会議長・総会役員の選出後、石川徹会長が理事会を代表して「今後の私たちの進む方向を明確にしていきましょう」とあいさつ。続いて、来賓として藤末衛・全日本民医連会長、東京地方労働組合評議会・伊藤潤一議長、東京土建一般労働組合・松尾紳一郎常任執行委員よりあいさつをいただきました。
千坂和彦事務局長が第1号議案(第50回総会方針)についての理事会報告をおこない、引き続き、第2号議案(規約の一部改正)、第3号議案(決算報告)、第4号議案(予算)、第5号議案(役員選出に関する提案)がおこなわれました。
午後は、8つの分散会に分かれ、議案の討論と各事業所での運動の報告を行いました。その後、夕食交流会が開催され、参加者の交流を深めました。また、分散会終了後交流会までの時間に、尚美学園大学卒業生ら4人によるフルートカルテットコンサートが文化行事として開催されました。参加者は総会議論で疲れた「頭」を十分にリフレッシュしました。
2日目は「ノーモアミナマタ東京訴訟」の弁護団長尾崎俊之弁護士、日本共産党東京都議会議員吉田信夫さんの来賓紹介とあいさつから始まりました。
全会一致で各議案が採択されました
熱心に意見を交流した分散会
分散会の報告
討論は1・3・5・7・分散会報告から開始。各分散会とも情勢や事例を通して実態を知ること、49期総会方針を実践してきた報告、50期総会方針をいかに実践するかという立場での発言が多かったと報告。続いて全体討論に入りました。
討論は14人が発言しました。医師・看護師の養成と確保について、介護現場、病院での医療活動、など日頃の実践が生き生きと報告され午前の日程を終了しました。
総括答弁も
午後は、これまで分散会や討論の中で出された意見に対する理事会の総括答弁がおこなわれました。
千坂和彦事務局長は「総会では、全体会で14人、分散会で261人、計275人の発言で活発な論議がおこなわれました」「7月には参議院選挙です。私たちの仲間である東京民医連出身の小池晃議員が社会保障改善に大きな力を発揮しています。医療・介護・福祉の政策や制度改善のたたかいを前進させるため、国政革新に全力を尽くしたいと思います。そして、2011年の石原都政の転換を実現していきましょう。50期も課題が多くやりがいのある2年間となります。“東京はひとつ”を合言葉に頑張りぬきましょう」と結びました。
資格審査委員会によって、総会が成立していることを宣言し、各議案の採決をおこない、各議案とも全会一致で採択されました。
30年勤続者に対する感謝状が石川徹東京民医連会長から手渡され、あきしま相互病院の奈木加代子代議員が代表し心に迫るあいさつをされました。
選挙管理委員会から、第50期の役員選挙の結果、全員が信任されたことを報告。引き続き49期で退任される役員を紹介し、野崎佳代子前理事が代表してあいさつしました。
新任役員の紹介のあと特別決議を採択し、草島健二副会長の閉会のあいさつで、2日間にわたった総会を終了しました。「介護部門からの発言が多く運動の広がりを感じた」「職員育成のテーマが職務共通の課題と痛感した」などの感想が寄せられました。
運動の先頭に
フルートカルテットの演奏でリフレッシュ
私たちの運動が政治を動かす、新しい政治の方向を模索するまさに新しい時代にさしかかっています。第50回定期総会は、民医連が頑張り、政治の後戻りを許さない運動の先頭に立つとともに、「民医連医療を担う医師養成」「看護師確保」「中小病院と小法人の展望を切り開く」「揺るぎない経営構造をつくる」などの問題について討議され、前進を切り開くための方針を意思統一しました。
(第50回総会決定集は6月発行予定です。)
総会スローガン ○ 国民の力で勝ち取った新しい政治状況のもと、貧困と格差のない社会をめざし、多くの人々との共同をひろげ、権利としての社会保障を大きく前進させよう |
石川会長あいさつ
前回総会以降この2年間、国政においては、自・公政権に国民の審判が下り、民主党を中心とした政権が誕生しました。
粘り強い運動で
あいさつする石川会長
その後、肝炎対策基本法や原爆症基本法の成立、障害者自立支援法の廃止が決定され、これらは肝炎の被害者や障害者の皆さん方が自ら勇気を持って立ち上がり、粘り強くたたかいを続けて勝ち取った成果です。これらのたたかいに私たちは、患者さんから学び、患者さんの困難に徹底して寄り添い、ともにたたかってきました。
一方、この間の民主党の政治資金問題、普天間基地の移設問題、後期高齢者医療制度の先送り問題など、私たちの運動をこれまで以上に強化することなしに前に進んでいくことはできない情勢といえます。
今回の診療報酬改定も医療崩壊を再生させるとはとてもいえるものではありません。
石原都政の11年
石原都政の11年間に東京の医療と福祉はズタズタにされており、最近の石原知事は、各所で「今の日本は高福祉で、低負担だ」と決めつけた発言を繰り返しています。
4月からの後期高齢者医療制度の保険料は、東京では4・9%の引き上げ、国保料も連続して引き上げになります。都立三小児病院の閉鎖も多くの反対の声を無視し強行されました。
一方、東京都の来年度予算は大型公共事業費が6年連続で増加し、オリンピック招致に失敗したにもかかわらず、基金4千億円はそのまま温存されています。
来年には、東京の知事選挙がおこなわれます。石原都政からの転換を明確にして、これまでにない広範な取り組みを進めていきましょう。
前進面に確信を
この2年間、私たちは、年越し派遣村、無料低額診療事業をはじめ、いろんな活動を続け、「ぜんそく医療費の無料化」に続いて「PM2・5の勧告基準を設定させる」という画期的な成果もかちとりました。
「水俣病大検診」には、神経内科の専門医をはじめ多くの職員が参加し、東京における健診も成功させました。
前回総会の「法人を超えた連帯で大都市部での中小病院の困難を打開する」をキーワードに、中小病院プロジェクトや医師政策の論議、臨床研修制度変更への対応などを経て、2011年度からの医師養成と医学対の方針を確立しました。
また、特に都内における中小病院の看護師の確保が困難な中、この春の新卒看護師の受入れは前年度を上回り、この間の成果といえます。
介護分野でも、介護署名の推進、民医連以外の諸団体と共同した活動なども大きく広がってきています。
今後2年の重点
今後2年間の民医連の重点課題として、(1)民医連医療を担う医師養成、(2)看護師確保、(3)中小病院と小規模法人の展望を切り開く、(4)どんな事態にも耐えられる経営構造づくり、の4点を挙げています。これらの課題を東京民医連の総力で前進させていきましょう。
今総会は第50回、節目の総会であり、東京民医連第4次長期計画の最終年での開催となります。代議員の皆さん方の積極的な論議で方針案を充実したものにし、今後の私たちの進む方向を明確にしていきましょう。