東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

韓国の職業病闘争学ぶ

 2月14日、約170人の参加で三多摩ブロック第28回学術運動交流集会を東京都立多摩教育会館で開催。当日は医療の安全性を目指して実施されたクリニカルパスのとりくみなど、26の症例を4分科会に分かれて発表。メイン企画として韓国・人道主義実践医師協議会源進(ウォンジン)センター代表の梁(ヤン)吉承(ギルスン)医師による記念講演が行われました。

 分科会では病棟医療や技術系職員による専門領域でのとりくみから、ボランティア・共同組織とのかかわり、地域医療における薬局の役割など多岐にわたり、特に歯科では5演題を発表するなど日頃のとりくみを反映したものとなっていました。
 実行委員長からは「症例提示にとどまらず、問題を討論して方向性を見つけていくことが大切」との講評を受けました。

 記念講演では「韓国の医療事情と人道主義実践医師協議会」と題し、梁医師もかかわったウォンジン職業病闘争(繊維産業の職業病認定裁判)から緑色病院創設までの歴史を紹介しました。
 韓国の化学繊維メーカーである源進レーヨンは、日本の東洋レーヨン(現東レ)から輸入した老朽機械で操業。レーヨン製造過程で硫化水素と二硫化炭素を大量に排出し、環境悪化による地域住民の被害が新聞でも報道されていました。しかし、源進レーヨンで働く労働者がどのような状況におかれていたのか、その健康被害についてはなかなか取り上げられることはありませんでした。
 1987年に創立した「人道主義実践医師協議会」は、労災職業病認定を求める源進レーヨンの労働組合のたたかいを支援。10年にわたる闘争の末、職業病認定をかちとり、その補償基金による出資金をもとに、職業病総合センターを設立し、緑色病院創設へつなげていきました。
 梁医師は「これからは社会に役立つことをしなければ認められない。何より患者にとって『特色のある、何か違うもの』を行いアピールする必要がある」と語り、そのための職員教育の重要性を指摘すると同時に、「今後も民医連の民主的な組織運営などに学びながら、これからも交流を深めていきたい」と期待を寄せていました。