痛恨の経験から学び共有
痛恨の経験から学び共有
9月30日、「医療・看護の安全」研修交流会が行われ、関東甲信越地協のリスクマネジャー、看護管理者ら60人余が参加しました。
初めに全日本民医連の長瀬文雄事務局長が「民医連の医療の安全性におけるとりくみと今後の課題」をテーマに講演。
長瀬氏は「医療事故をなくし安全安心の医療を実現することは、人の尊厳にかかわる問題。川崎・京都などの事例から教訓を学び共有しよう」と呼びかけました。その中で(1)現在、医療事故がさまざまな形で表出されていることを、「大変なこと」と認識するだけではなく、医療における「人権」の前進過程ととらえること(2)今までの日本の医療は、水面下で医療事故を処理し、失敗を繰り返してきたが、その経験を学びとり、教訓化することが重要、と語りました。
そのうえで患者中心の組織風土をつくる、再発防止のシステムと教育の大切さ、第3者による外部評価の活用など、医療安全に対する基本的な視点5項目を提起し、私たちの目指す民医連医療のスタンスが改めて見えた講義となりました。
続いて痛恨の医療事故から学び、教訓化した3病院から、さまざまなとりくみについて実践報告がありました。共通して言えることは、誰が起こしたかではなく、何故事故が起きたかを中心に、2度と同じ過ちを繰り返すことのないよう真剣に論議していることです。
また事故防止では、注射実施時のダブルチェックシステムや声だし確認の導入、危険薬剤の取り扱い基準の改善、職員への安全学習会など、一つ一つの業務について安全性の視点から改め、組織として再発防止や業務改善にとりくむ重要性が報告されました。