東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

メンタルヘルス問題 その根源・打開は?

 リストラ、長時間過密労働やサービス労働の横行で深刻さを増すメンタルヘルス問題。その根源に何があるのかを掘り下げ、打開の方向を探ろうと、労災職業病にとりくむ東京社会医学研究センターがシンポジウムを開催しました。

 シンポジウムでは、静岡県・三島共立病院の鈴木安名医師、代々木病院の岩田俊医師、立川相互病院の須田民男医師が、それぞれの立場からシンポジストとして発言。
鈴木医師は、メンタルヘルス問題を社会経済的背景から分析。労働者の無権利状態に加え、成果主義賃金制度・非正規雇用の進行・子会社化などの仕組みが5~7年という短期間に導入され、労働者を過酷な長時間過密労働に駆り立てていることが根源にあると告発しました。

 岩田医師は、医療従事者のメンタルヘルスの傾向として、他人の心配を抱え、神経が細やかで仕事にのめりこみやすいタイプが多く、アルコール依存になりやすいことを指摘し注意を喚起。
須田医師はメンタルヘルスの悪化による身体への影響に注目し、特に高血圧はメンタルヘルスを監視する指標の一つと指摘。ストレスを管理しながら、食事や運動・睡眠による健康維持の重要性を強調しました。

 フロアからの発言では「成果主義賃金による際限のない目標を設定され、評価一つ違うだけで年収が150万円も差が出るなか、連帯感が喪失」(全日本損害保険労組)「長時間労働では家族からの相談が圧倒的で、本人は家族のいうことを聞かないことが多い」(働くもののいのちと健康を守る全国センター)、「年休取得がメンタル問題解決の第一歩」(日本航空労組)などの意見や実態報告が。
それに対して鈴木医師は、全員を正社員にして従業員の満足度を向上させ、成果を挙げている沖縄銀行の例をあげる一方、労働者の競争をあおり、利益を絞りとったつもりが、欠陥製品続出で最後は外資に身売りという自動車会社を対峙的に紹介。「進んだ企業のとりくみを紹介し、正社員化をすすめる提案型のたたかいもあるのでは」と提起しました。