訪問看護ST所長研修
訪問看護ST所長研修
「訪問看護ステーションは今、どうも元気がない。民医連だけでなく、日本全国どこでも言われています。どうしてでしょう」。東京民医連高齢者医療福祉委員会が主催した訪問看護ステーション所長研修は、ドキリとするような率直な言葉から始まりました。その言葉に深くうなずく51人の所長たちの瞳は、真剣そのものでした。
6月14日、特別養護老人ホーム・葛飾やすらぎの郷。東京民医連の訪問看護ステーション90カ所のうち、51事業所の所長が研修会に集いました。民医連の介護施設を見学し、在宅医療の視野を少し広げて考えてみようとの会場設定でした。
「在宅に近い施設をめざした」という所長の案内で施設見学。入居者の安全と居住性の配慮、職員の効率的労働へと、随所に工夫と苦労のあとが見てとれる施設に「すごいわねー」とため息が。
昼休みにはリフレッシュ企画、柴又・帝釈天の散策をはさみ、やすらぎの郷に関する詳しい講義を聞いた後、グループ討論となりました。
訪問に出るのはもちろんのこと、ケアマネの担当も数多い。そこに所長として管理業務、経営責任。病院・診療所での看護師時代とはまるで異なる苦労を誰もがかかえています。
4月からケアマネの報酬に、利用者訪問など条件を満たさないと減点されるようになったことも、大きな負担となっています。そんななかでも、朝晩のインスリン注射のみの訪問など、他の事業所からは断られたような利用者さんの要求にもこたえ、経営的に厳しくても「民医連だからこそ」と奮闘しているステーションもありました。「こんな苦労は誰もわかってくれないと思っていた」というステーションの所長たちが、互いに思いを語り合い、励ましあう機会となった研修会でした。