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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

イラク攻撃に根拠なし

 緊迫するイラク情勢のもと、「スコット・リッターの証言 イラク戦争」が世界11カ国で緊急翻訳・出版されています。
 2月3日~7日に来日した元国連大量破壊兵器査察官のスコット・リッター氏は、91~98年までイラク現地で査察を行なっていました。
 本書では、その事実と科学的視点から、査察当時での大量破壊兵器製造技術の解体とその後も続けられている監視、12年に及ぶ経済封鎖によって、イラクが現時点で世界の脅威とならないこと、イラク攻撃の根拠がないことを完膚なきまでに明らかにしています。
 そればかりか戦闘が長期化し核兵器が使用される可能性があること、多くの市民の生命が奪われるばかりでなく、その後もイスラム社会と西側諸国との深刻な対立、報復として核によるテロへと発展する可能性を示唆しています。
 今求められているのは国連による軍備管理とイラクに国際法を守らせることです。経済封鎖で最も被害を受けたのは中間知識層をはじめとする市民です。これは非通学率が23・7%に上昇したことでも明らかです。解決には、時間がかかってもイラク国内での民主主義の成熟が必要です。経済的格差の是正、対話と交流、粘り強い文化的・経済的支援こそが必要です。
 このイラク攻撃に米英に並んで日本が「参戦」しようとしています。自衛隊はすでにイージス艦を中東に派遣しています。これは北朝鮮問題と日本の「有事法制」に直結する問題です。多くの運動と連帯し、「STOPイラク攻撃」の声を大きくあげましょう。そして日本政府や政治家の態度をしっかり見ていきましょう。