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●医師
小豆沢病院 山崎 暁
最初の往診は研修医一年目、先輩医師の見学でした。多彩な症状に聴診器ひとつで立ち向かう姿に驚き、その聴きやすそうな聴診器をおもわず買いそうになったことを覚えています。

その後、自分だけで往診するようになり、間違いに気が付きました。その先輩医師は決して聴診器のみで診断していたわけではなかったのです。

本人、家族の話をよく聞き、訪問看護師やヘルパーさんからの情報を集め、もちろん診察もした上で、総合的に判断する。つまり採血・レントゲンの情報がない分、他の情報で補うということではないでしょうか。もちろん、まだまだ自分では悩むことが多く、最終的には患者様本人の意向に従って判断していますが…。

最近では、入院時に受け持っていた患者様のお宅へ往診することも多く、いろいろな発見があります。自分の立てた退院後計画の不備に泣かされることもしばしばですが、主治医としての責任感はそんなときほど燃え上がります。他の外科医師と連携してのターミナル期の往診も勉強の連続です。

考えてみれば、往診で学んだことは病棟医療にも共通することばかりです。地域の外科医を目指す自分にとっては、往診は大事な課外授業と言えるかもしれません。さあ研修医の先生方!今すぐ往診研修を指導医に要求しよう!(2002.9)

   

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