開催日時
2022年5月15日(日)13:00~16:30
テーマ
「貧困とSDH」
講師
大西連氏(NPO法人もやい理事長)、水本潤希医師(愛媛生協病院家庭医療科)
参加者
医学生28名(28卒11名、27卒9名、26卒2名、25卒4名、24卒1名、23卒1名)
講演・対談概要
大西連氏からコロナ禍での支援から見えた現代の貧困とその支援というテーマでお話しされた。貧困は経済的困窮だけでなく、人間関係や情報など様々なつながりが欠乏している状態であること。コロナ禍で女性や若年層に貧困が拡大している。その背景には、不安定就労や低賃金、DV・虐待、家族関係の厳しさ等構造的な生きづらさがある。これからの生活困窮者支援は自律の助長が重要である。そのために民間の活動を広げていくこと、支援のつながりをつくるためにknowhowを提供すること、同時に政策提言をしていくことが必要だと訴えた。
水本医師からは、現場から見える貧困について話された。定期受診が出来る人は様々なハードルを越えて来たエリート。本当に困っている人は医療にアクセスできなかったり、陰性感情を持ってしまうような患者さんである。しかし、その患者さんに医療を提供しないということはあり得ない。患者さんの背景を知り、少しでも理解することが重要。
日本には、はっきりとは分からないが困っている人が沢山いる。そういう人たちにどう向き合って行くか医師を目指す皆さんに考えて欲しい。ぜひ、もやいの相談活動や民医連で実習など現場に足を運んで欲しいと訴えた。
また、医師はどんな病院で研修を受け働くかが重要で、水本医師のモチベーションは同じ方向性で働く仲間がいることだとお話しされた。
感想
- ・生活保護受給者や路上生活者の支援が自分に出来るのかと後ろ向きの感情も持ったが、仲間や周りの環境がそういう人たちを支えようという想いを持っている人ならば、自分の買われるかもしれないと思った。
- 生活保護を受給できないギリギリのひとがたくさんいて、その人たちが1番苦しいことを知った。政策の不足を感じた。
- ・将来民医連で働くと思う。民医連のルーツは自分が大事にしていることと一緒。
- ・なぜ民医連が困窮者に向き合って行くのかについて理解できた。陰性感情を持ってしまう中、真摯に向き合っている医療者にもフォローが必要。
- ・自己責任を果たせなかった人に社会が負の感情を持ってしまうのはなぜなのか。
- ・生活保護受給への心理的抵抗をなくすにはどうしたら良いのか。
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