奨学金の貸与だけでなく、毎月開催している奨学生ミーティングに参加して医療を学んで仲間をつくろう。
東京民医連では、医学生を対象にした奨学金制度を設けています。医学生生活を応援する制度です。奨学生を対象とした学びの場として、多くのフィールドを活用した奨学生活動が魅力の一つにもなっています。先輩である医学部奨学生から、新しく始める医学部生活のアドバイスを受けることもできます。
高校生・予備校生なら一日医師体験。
それぞれの病院の特徴を反映した医師体験ができます。教科書では知ることができない、現場を知ることによって、あなたの進路や方向性が見えるかも。春休み、夏休み、冬休みなどを使って医師体験にお越しください。
医学生には希望にそった実習プラン。
はじめての実習なら「基本実習プラン」、2日以上実習を希望する方には「学年別プラン」などがあります。また、内容をカスタマイズして実習をご提供することも可能です。あなただけのプランで医療現場を体験できます。
受験に役立つ模擬面接対策をやっています。
東京民医連は東京都全域に広がる組織です。 あなたが働きたい地域に、病院・診療所があります。
病院15、診療所115(歯科診療所21を含む)、薬局78、訪問看護ステーション50、県連共同事業所2、看護学校1、介護福祉専門学校1、老健・特養施設5、地域包括支援センター6、訪問介護ステーション17、その他を含め合計315箇所が加盟しています。
民医連では、今の初期研修制度(2004 年~)がない時代から、「臓器別」でなく「総合的に人を診る」事が出来るようスーパーローテート研修をおこない、医師養成をおこなってきました。毎年東京民医連として20 人以上(全国に160 人以上)の研修医を迎え入れ、患者さんの病気だけを診るのではなく、SDHの視点も取り入れさまざまなフィールドを通して医師を養成しています。また、「青年医師学術運動交流集会」など学んだことを発表し、互いに交流する場を作っています。 ※SDH(Social Determinants of Health)… 健康の社会的決定要因とは貧困や労働・生活環境が疾病や健康に作用する要因のことです。 (WHOが1998 年より提唱しています。)
「具合はどうかって具合が悪いから来てるんだ」
夜間の救急外来で運ばれてきたその人は、数週間前から家で動けなくなり、激しい栄養失調と汚物にまみれた状態で酷い悪臭を放っていました。
関節リウマチという手足の骨が溶けて固まってしまう病気を持つその人は、手足が痛くなるときは病院にかかるけれど、調子が良くなると治療しなくなるというのを繰り返していて、手足の指は痛みと変形でうまく動かせません。手首にはリストカットの痕があり、よく見ると首にもある…どうしたのか聞くと「どうしようもなくなって」手近のカッターで切ったとのことでした。命を絶つことにためらいがあったのかリウマチで手がうまく使えなかったのか、傷は浅いですが何度も切った痕があります。さらに検査をすすめると肝臓に転移性の癌と思われるものもあります。
患者さんの人生がそれぞれ違うように、SOSの形もそれぞれ違います。この人のSOSに誰かがもっと早く気付けていたら…無力感とともに、医師として精一杯のことをしたいと考えました。
この患者さんとの出会いは東京で地域医療をすることの別の面を見せてくれた気がします。
初期研修医1年 伊藤 裕介
小豆沢病院
医師を目指す読者の皆さん、こんにちは。このサイトを訪れた皆さんはきっと医学部合格に向けて、あるいは大学での勉強に日々努力されていることでしょう。少しでも将来へのモチベーションアップ、勉強の息抜きになれば嬉しいです。私自身医師となって半年足らずですが、実際に臨床の現場に出て感じた「医師のやりがい」についてお伝えできればと思います。
医師のやりがい、それは人によって様々です。私が思うやりがいは「感謝されること」ではないかと感じています。一方で、現場に出て常々感じることは自分の無力さです。社会人としても医師としても未熟な自身。看護師さんから頼まれるオーダーにあくせくし、点滴ルートだって一回でとれず何度も痛い思いをさせ、当直では帰宅させたが大丈夫だろうかと不安な思いは消えず…これまで自分は医師に向いていないのではと思うことが何度もありました(笑)。
しかしながら、患者さんは「ありがとう」と感謝の言葉をかけてくれます。毎日病棟に会いに行くだけで。そして、研修医ながらも提案した治療方針が奏功したとき、医師としてのやりがいを感じます。医師は決して楽な職業ではないですが、生涯をかけてやりぬくことができる素晴らしい職業です。
ぜひとも、医師になるという目標を達成するために頑張ってください!応援しています。
初期研修医1年 古庄 菜穂
みさと健和病院
残念ながら、皆さんが考えているであろう医師像と、実際の医師像はだいぶ異なっていると思います。
人の命を救うために毎日毎日奮闘している、そんなことはありません。最期の時間を迎える患者さんの日々をどうするのか。延命をするのか、お看取りの方針にするのか、そっちの方が悩ましい。治療をすれば感謝される、それはもちろんそうですが、治療できる疾患ばかりではありません。高血圧、糖尿病をとっても、完治させることは難しい疾患ばかりです。最先端の知識を駆使して仕事をすることができる、そんなにかっこいいものではありません。研究は着実に進んでいますが、多くの場合は今まで行われてきた普遍的なやり方で完結するでしょう。
想像以上に泥臭い職業です。そして相手は人間ですから、うまくいかないことばかりです。
医師というのは、人を導く存在とは限りません。医学知識を振りかざすのではなく、あくまでも医学知識を持った1人の人間として、多職種と手を取り合いながら、問題を抱えた1人1人の患者さんと向き合っていく、チームの一員なのです。でも、チームの一員として、誰かの人生に関わって、ちょっとでも良いものにできたら、そんなすごいことは他にないと思うのです。
初期研修医 前島 拓矢
東葛病院