●東京民医連の薬剤師
   がめざすもの


東京民医連の薬剤師がめざすもの

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1 薬剤師研修

 私たちは、それぞれの医療現場で、カリキュラムに基づいて、薬剤師として確かな技術の獲得と実践力を養います。自らが目標を持って学び成長することを重視して、ポートフォリオ評価を取り入れた研修を追求しています。
 また、病院勤務薬剤師、保険薬局勤務薬剤師が合同で、研修プログラムに基づく集合研修を体系的に実施しています。

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 専門知識や技術に偏らず、患者さんに信頼される医療人として成長することを目指します。医師・看護師など他職種と共に学ぶことを重視し、保険薬局薬剤師も、病院での経験や研修を位置付けています。
 在宅訪問活動を通じた研修により、地域医療に貢献する薬剤師の育成に力を注いでいます。

2 チーム医療の取りくみ

医療機関との連携写真

 薬の適正使用を進める上で、医療機関との連携は不可欠です。薬物治療に対する疑問や副作用の情報など大切な点は医療機関に連絡し、あるいは地域の医療チームの一環としてカンファレンスに参加し、協力して医療を行っています。

患者さんとのつながり

 医療の主体は患者さんです。薬の相談会や薬についての地域での勉強会を行っています。患者さんから薬局へのご意見を伺い、利用しやすい薬局にしていこうと努力しています。

3 在宅医療

写真 在宅療養が増加しており、訪問にも積極的に取り組んでいます。
 薬剤師も、患者さんの「できる限り自宅で過ごしたい」 願いに寄り添い、地域の医療・介護を支援するチームの一員です。在宅での薬の適正使用管理は、コンプライアンス改善やQOLの向上につながり、安全・安心の療養生活をサポートします。

4 薬害根絶のために

写真 薬害とは、薬の副作用情報が軽視されたり、時に隠されたりしたことにより、社会的に引き起こされた甚大な健康被害の事件をいいます。
 我が国では、これまで、サリドマイド、スモン、エイズ、肝炎…と薬害が繰り返されてきました。病気を治すための薬が原因で命を脅かされるようなことがあってはなりません。
 私たちは、薬剤師として、過去の薬害を学ぶとともに、薬害被害者の支援や、裁判支援に取り組んでいます。

(1)私たち薬剤師は薬の適正使用をめざします。

 薬が、有効に安全に経済的に使用されるように、さまざまな取り組みをしています。
  保険薬局 では、薬のカルテ=薬歴を作成し、ひとりひとりの患者さんの薬物治療を継続的に把握しながら調剤を行い、ていねいな情報提供、服薬指導をしています。在宅患者さんへの訪問活動も実施し、医療機関と相談しながら、患者さんの置かれている状況に合わせた調剤や処方の工夫もしています。
 病院の薬局では、調剤はもとより、注射薬の管理やセット、配薬やベッドサイドでの服薬指導など薬に関わるすべての業務に責任をもっています。
 病院でも、保険薬局でも、薬剤師の大切な業務として副作用チェックをします。また、使用している薬剤の有効性や安全性についての追跡調査もしています。

(2)私たちは、患者さんや地域住民の人権を守ります。

今、わが国で本当に人間らしい医療が行われているといえるでしょうか?またわが国の社会保障・医療制度は大きく変えられようとしています。医療機関にかかった時の患者負担が増えました。医師やベッド数も削減されようとしています。具合の悪い時に気軽に病院にかかれない状況が急速に進んでいます。
 私たちは、いつでもどこでも安心して利用できる社会保障・医療制度を作るために、患者さんとともに運動しています。

民医連の薬剤師はこんな活動をしています

 患者さんの立場に立って親切でよい医療を行うことを基本にして、薬が有効で安全に使われるように、薬局で調剤するだけでなく、医師をはじめとした医療従事者と協力しながら仕事をしています。
 薬が使用される外来や病棟では、患者さん一人ひとりに薬歴を作り、薬局窓口やベッドサイドにいって、薬効・副作用などの説明、服薬状況の把握、薬剤情報提供書の発行をし、患者さんの状態や訴えから副作用・相互作用などのチェックをしています。また病棟・外来カンファランスへの参加、カルテや薬歴チェック、血中濃度測定コンサルテーション(測定値に基づく投与量などの検討と医療機関への報告)などを通して有効性や副作用をはじめとした安全性のチェックをしています。在宅患者さんには、自宅に訪問して服薬状況や副作用をチェックしたり、患者さんからの質問に直接答えたりしています。
 これらの日常活動とあわせて、薬の使用経験や海外文献などを検討して、薬の有効性、安全性を臨床的に総合的に評価しています。
 その他、病気や薬のことをテーマにした壁新聞・ミニコミ誌なども発行して、患者さんに安心して薬を服用してもらえるような努力をしています。
 また、地域の集まりや患者会などに参加して、健康を守る活動をしています。
 スモンや薬害エイズ・ヤコブなどの薬害被害者への支援活動をおこない、薬害をおこさないような仕組みを国に提案し、求めています。
 私たちは、患者さんを中心に患者さんと共に医療活動を実践していきます。

民医連の薬剤師活動の紹介