東京民医連

輝け看護!

みんいれんTOKYO(機関紙)の「輝け看護!」コーナーから

食事と内服の管理で生活改善

 看護小規模多機能型居宅介護「千石にじの家」を開設して1年が経ちました。文京区では初の看多機となります。
 Aさんは、開設時から利用開始となりました。パーキンソン症候群等複数の疾患があります。独居で、ベット上での生活状態でしたが、現在は、自宅内のトイレ歩行や簡単な台所作業が可能になりました。
 千石にじの家を利用するまでは、1日3回の訪問介護、週1日のデイサービス、週1回の訪問看護、福祉用具貸与等の居宅介護サービスを利用していました。しかし、月によっては限度額を超えるためサービスを減らして調整する状態でした。
 また、訪問介護は時間が十分にとれず、食事は冷凍食品やコンビニ弁当が多く、内服管理も十分にできていませんでした。そこで、千石にじの家の利用を開始し、週6日の通いのサービスを利用、来所して朝食から夕食まで提供、同時に内服管理を徹底しました。
 朝は迎えに行くと、失禁やシーツの汚染があったり、ベットからずり落ちていたりと、当初はハプニングがない日がありませんでした。送迎車に乗ってもらうまでに、かなりの時間を要し、他の利用者の送迎に支障が出ることもありました。職員からも、サービス提供が続けられるのかと不安の声もあがりました。
 しかし、2か月ほどすると、職員の手引きで歩くことができるようになっていました。これは、食事と内服を徹底的に管理したことで生活改善ができ、来所して座位で過ごす時間が多くなったこと、また、トイレに行く時に職員の介助で歩行介助を繰り返したことが、身体機能の改善に繋がったためと思われます。生活リズムを整える重要性、生活に必要な動作を繰り返すことがリハビリそのものであることを実感しました。
 そして、看護師と介護職員が常に情報交換をしタイムリーに対応をしたことなど、看多機の力が十分に発揮されてきたことも感じています。
 今では、通いの日が減り、簡単な台所作業ができるので朝・夕食は自分で準備することができ利用時間は短縮しました。そんな、Aさんの目標は「歩いてお店に行き服を買いたい」です。今後も看護師と介護職員が共同で、目標達成まで支援していきます。
(千石にじの家・2017年5月号掲載)