東京民医連

輝け看護!

みんいれんTOKYO(機関紙)の「輝け看護!」コーナーから

地域とつながる救急をめざして

 立川相互病院は、専門医療・救急医療・地域医療・在宅医療を支える2次救急医療機関です。
 ERでは、救急外来とHCUとしての病棟があります。病床数は12床と少ないですが、急性期と初期対応を必要としている患者が多く他病棟への転床も早いため、入院後すぐに退院後の生活を考え退院支援看護師とともにカンファレンスを実施、転床先へ引き継げるようにしています。
 救急外来では「断らない救急」を目標にしています。しかし中には緊急性が低く何回も救急車で来院する方もおり、どのようにしたら救急受診が減るのか、何が原因で頻回受診するのかスタッフだけでなく関連部署と話し合いを持つこともあります。
 Aさん40歳、既往に摂食障害・アルコール依存症があり、飲酒後に救急要請し受診することが多く「お酒を抜くため入院したい」「家に帰りたくない」と訴えることも多くありました。そこで主治医に外来での経過を相談し救急受診時はどのように対応していくべきかを検討しました。
 Bさん18歳、自宅にて妊娠反応陽性であったが実母にも伝えず、医療機関も未受診でした。破水とほぼ同時に陣痛が始まり、実母に妊娠を伝え救急要請となり、当院へ搬送されました。病院到着時に児頭発露状態となり外来にて児を出産しました。
 Cさん73歳、頸部と四肢の痛みで診療所に月15回以上受診、救急外来へは数回の受診でしたが痛みへの不安・独居であることの不安増強から連日救急要請、多い時は1日4回の救急要請をすることもあり、病院で過ごす時間が増えてきました。そこで関連部署に働きかけ情報交換を行い各部署でTさんにできる働きかけを考えていきました。
 救急外来という多忙の業務の中では、気になる患者・疑問に思うことがなければ日々流れていってしまう出来事が数多くあります。しかし、関連部署や地域につなげて、患者さんが必要な医療や福祉を受けられるようにしていくことも大きな役割だと考えています。(立川相互病院・2015年6月号掲載)