東京民医連

輝け看護!

みんいれんTOKYO(機関紙)の「輝け看護!」コーナーから

禁煙外来、頑張るNさん

 当院では、2010年9月より禁煙外来がスタートしました。Nさん(73歳男性)は糖尿病、肝障害で通院治療中の方です。奥様の勧めもあり、禁煙外来を 受診することとなりました。煙草を吸う目的は、時間や気分を紛らわせるためとのこと。自宅には、煙草が束で残っているそうです。1600kcalで、糖尿 病のコントロールは良好に経過しています。
 禁煙外来での問診では、ブリンクマン指数1500、TDSは5点。「ニコチン依存症」と診断され、治療となりました。外来は初回を含めて、2週・4週・ 8週後と5回通院します。担当看護師は医師の診察後、禁煙対処法へのアドバイスや相談を受け、治療中のNさんの体調変化をフォローしました。
 Nさんには、「ニコチネルTTS」が処方され、パッチは朝に貼用し、夜は不眠防止のためにはがして調節しながら治療を行いました。受診1回目、一酸化炭 素濃度は16ppm、受診2回目は4ppm。煙草は吸わなくなっても、吸いたい気持ちになったり、イライラしたりして落ち着かないことが多かったようで す。
 3回目になると1ppmまで減少し体調も良好でした。離脱症状も見られず、禁煙は続いており、「ニコチネルTTS」処方は、8週目で終了しました。
 Nさんが意志を強く持って取り組んでいく中で、喫煙されている友人の吐息が臭く、自分が今まで吸っていた煙草の臭いに違和感を持ったこと。手持ちの煙草を友人に譲ったなどの変化が見られました。私たち看護師も、Nさんの体調の変化や頑張りが伝わってきました。
 10月よりタバコが値上がりし、禁煙外来を希望する患者が急増しました。そのため薬品入荷が困難になり、一時的に外来予約を中断していましたが、1月に は再開できます。禁煙外来を進めていく中で、患者の生活環境や精神的なフォローを行うために、できるだけ多くの情報収集が重要であることを改めて認識しま した。今後もNさんの禁煙後の生活が有意義に送れるよう、外来スタッフ全員で見守っていきたい。
 (大泉生協病院・2011年新年号掲載)