東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

年頭にあたって
東京民医連会長
根岸 京田 人権が尊重される社会をめざして

 東京民医連の職員、共同組織の皆さん、あけましておめでとうございます。
 昨年は、米国大統領選でトランプ氏が勝利、ヨーロッパでは極右政党が支持を拡大、世界的に右傾化が進みイスラム教徒や移民・難民を排斥するなど社会の寛容性の後退が目立った年でした。その背景には経済のグローバル化の名の下に展開された新自由主義的政策により、かつてない大きな経済格差を生じたことがあります。経済格差は健康格差を生み、憎しみを生み、戦争を生んでいます。
 国内では安倍政権が長期化し、紛争地域である南スーダンへの自衛隊派遣、沖縄での辺野古基地建設問題や高江のヘリパッド建設、年金を含む社会保障の縮小など民意を無視し、国会と立憲主義を軽視した暴走が続いています。その先にあるのは自民党草案を基にした憲法改正です。
 一方、東京民医連では、東葛病院と立川相互病院の竣工祝賀会、健康文化会や橋場診療所の60周年記念行事など祝い事が続いた年でもありました。各地の催しでそれぞれの事業所・法人のあゆみに触れるたび、改めて地域の人たちからの大きな支援を感じます。常に地域の要求に耳を傾け、共同の営みとしての医療・介護活動からぶれることがなかったことが、長い歴史を歩んでこられた大きな理由だと思います。
 医療・介護の中心に「人びと(コミュニティー)」をおき「地域のニーズと選好に応じてサービスを提供する」ことは、世界保健機関(WHO)が進めようとしている健康戦略のあり方にまったく一致するものです。私たちには、世界と歩調を合わせ、人権が尊重される社会を目指して発信し、運動を広げていく使命があると思います。
 今年も経営問題、後継者対策を中心に課題が山積です。特に2018年の「惑星直列」と言われる種々の制度改正に対応する仕組みづくりが大きな課題であり、知恵やアイデアを県連に持ち寄って対策を考える必要があります。今年も東京民医連をどうぞよろしくお願いいたします。