東京民医連

東京民医連のご紹介

みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

学生の疑問を解決できる場
一日医師体験が人気
高校生・予備校生 484人申し込み

 東京民医連の各病院医学生委員会では、高校生・予備校生の長期休暇に合わせて医師体験を実施しています。医師体験には、全体で484人の申し込みがされています。これは、医師をめざす高校生・予備校生に対して、医療現場にふれることで医学部受験のモチベーションをあげてもらうことを目的にしています。同時に、早い段階から民医連の理念や医療活動に共感する医学生・高校生・予備校生を増やすことも重視し、奨学生や重点学生を増やす取り組みの一つとなっています。最近では、体験内容を工夫しリピーターを増やすなど、何度も参加してもらい、より自分たちの医療活動を知ってもらえるように各事業所で工夫し、奮闘しています。

 

東京勤医会
模擬面接企画やスタンプカード

 東京勤医会(東葛病院・代々木病院)では、毎年、180人近い高校生・予備校生の受け入れを行っています。今回は高校生対策について紹介します。
 「高校生・予備校生対策」の主な活動は、(1)一日医師体験、(2)ボランティアの受け入れ、(3)模擬面接企画、(4)リピーター企画、(5)合格者を祝う会、(6)医学部入学前体験、(7)医学部受験生向けの冊子郵送などを行っています。
 すべての活動は、医学部に合格したときに、民医連医療に共感を持って奨学生になってもらうことを目的とし、一連の流れとして取り組んでいます。
 また、企画に参加するたびにスタンプがたまる「スタンプカード」を作成し、複数回当会のフィールドに足を運んでもらうような工夫なども行っています。今春は、こうした取り組みから数年ぶりに奨学生を生み出すことができました。
 今後は、全国の取り組みにも学び、「高校生・予備校生対策」をさらに充実させて民医連の医療活動に共感する学生を生み出していきたいと思います。(東京勤医会・杉本雄太)

 

王子生協病院
全体で200人が各専門職の体験も

 この夏、東京ほくと医療生協・ひまわり企画では、「高校生一日医療体験」を開催。これまで受け入れをしていた医師・看護師・薬剤師に加え、リハビリ、検査技師、放射線技師、管理栄養士、MSW、医療事務の各専門職の体験受け入れを行いました。
 全体受け入れは200人。そのうち、医師志望受け入れは18人。また、現場体験だけではなく、地域医療の役割やそこで働く医療者の思いを伝えること、さらに現在の高齢者医療の実態や問題をテーマに高校生同士で対話する内容を取り入れました。
 参加した多くの高校生から、自分たちのめざす医療専門職の魅力を感じると同時に、地域医療だからこそ身近に感じ取れる患者さんや家族との信頼関係、専門職同士が協力しあいながらケアをすることの大切さに気づきを得た感想が出されていました。
 参加した高校生が地域医療に魅力を感じ、将来の仲間として一緒に働ける日がくることが私たちの願いでもあり、希望にもなると感じた医療体験でした。(王子生協病院・芦野 朱)

 

小豆沢病院
春・夏・冬の3回リピーター体験

 小豆沢病院では、医学部をめざす高校生・予備校生を対象に一日医師体験を春、夏、冬と年に3シーズンで実施しています。
 2012年には「医師体験の内容をもっと充実させたい! 小豆沢病院を好きになる高校生を増やしたい!」と話し合いを重ね、12年冬から、新たにリピーター体験というコース分けにしました。
 それまでの医師体験は、朝から夕方までの1日行っていましたが、初回の「あずきちゃんコース」は簡単にし、2回目「おはぎちゃんコース」、3回目「お汁粉コース」、医学部合格者は「赤飯コース」とし、2回目以降からより医師の近くで体験・見学をできる内容に変更しました。
 リピーター体験に参加した高校生からは「医師が患者さんとやり取りしている中で気づいたのは、車イスや寝たきりの人に対して、近くで大きな声でコミュニケーションをとり、視線の高さを合わせて話していたことなどです。診察では患者さんの話を聞くなどして信頼関係を築くことが重要というのを学びました。半日、医師と行動するとまったく違った感想を持つことができました。将来はきちんと患者さんの立場を考え、信頼しあいながら診断できる医師になりたいです」と感想をもらっています。(小豆沢病院・堀江真郷)

 

立川相互病院
定員超す応募者AERAに紹介

 当院の医師体験は毎回定員を大幅に超える応募で人気となっています。『AERA』に掲載されたある高校の記事では、当院の医師体験が紹介されました。
 医師体験の一押しは、研修医が行っている医学ミニ講座です。こちらはオペ着の着方や手術糸の結び方を研修医がレクチャーする体験型講座で、学生からは医師の仕事を体験できたと大変好評です。
 講座後は研修医との懇談で医師の仕事や受験のことなど学生の疑問を解消できる場を設けています。また医師の仕事だけでなく、栄養科など他職種のスタッフからチーム医療についても学べます。
 医師体験は重要な後継者対策といわれていますが、当院では今年医師体験参加者の医学生3人が奨学生となりました。私たちは学生に医師体験を通し、チーム医療や患者に寄り添った医療の大切さを学んで貰えるように努めています。当院の医療に共感し、いずれ三多摩の医療を担う医師となる学生が誕生するよう、今後も医師体験に力を入れていきます。(立川相互病院・松木隆宏)