東京民医連

東京民医連のご紹介

みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

いのちと暮らし守ろう
住民・患者に寄りそい

 各法人や事業所では、地域住民のいのちの平等と暮らし、平和と人権を守るために、定期的な宣伝・署名や相談活動を続けています。

 

野宿生活者に健康・生活相談 橋場診療所

 橋場診療所は、今年4月からの無料低額診療事業の実施と同時に、隅田公園山谷堀広場で実施されている隅田川医療相談会に参加しています。
 同相談会は、毎月第3日曜日に隅田川や浅草周辺で野宿をされている方や生活に困っている方への無料の健康相談、生活相談、生活保護申請などを行っている相談活動です。2001年から開始され、民医連の医師や、幅広いボランティアの人によって10年以上にわたって継続されています。6月の相談会には、約60人の薬相談、10人の医療相談があり、橋場診療所に紹介状が1人、橋場診療所の歯科案内を2人に行いました。
 弟からの仕送りを申請してなかったとして生活保護を打ち切られ、100万円近いお金の返還を求められている方、何度も生活保護を受けていたけど宿泊施設でうまく行かなくてその度に保護が打ち切りになってしまう方など、台東区以外の区や市部からも相談に来られていました。
 紹介状が出された方は翌日に橋場診療所を無料低額診療事業で受診し、生活保護の申請につながり、アパート探しや仕事探しなどをされています。無料低額診療事業と隅田川医療相談会を二本柱に、困った人の頼りになる診療所をめざしていきます。(橋場診療所・山岸太一)

 

夜回り活動や河川敷訪問も 立川なんでも相談村

 「立川なんでも相談村」は、市内13団体で実行委員会を作り、2010年12月に第1回の無料街頭相談会を実施。年数回の相談会、毎月の夜回りなどを積み重ね、生活保護の申請につながった方は37人になりました。
 Aさん夫婦は住み込み付きのラーメン店が潰れてから次の仕事が見つからず、公園で寝泊まりする状態になりました。ボランティアの声掛けがなかったら相談しようとは思わなかったと言います。
 待っているだけではだめだと、ホームレスの方を訪問する夜回りの活動を始めました。「これは俺の命綱なんだ」とインシュリンを大事にバックに入れていたBさんと出会ったのも夜回りでした。生活保護を受給し治療を再開することができました。
 河川敷訪問では、10年前に立川相互病院で胃を切ったというCさんと出会いました。友の会に入ってもらい、毎月ニュースを届け、友の会の無料大腸がん検診の結果が陽性になり、SWが何度も川原に訪問して、入院と生活保護の受給につながりました。
 2013年11月、ホームレスから脱出した方たちが中心になり「立川生活と健康を守る会」が再建。反貧困の活動は「無差別・平等」を掲げる民医連だからこそできる活動です。(立川なんでも相談村事務局長・三井亨)

 

「よろず相談」連携して対応 大森中診療所

 大森中診療所の待合室で、月曜~土曜日午前に「よろずなんでも相談」を行っています。相談を受けるのは、社保協の役員や社会保険労務士、労働組合幹部の経験のある保健生協の理事や元大田病院職員、大田病院医療相談室、東京南部法律事務所の弁護士。
 相談内容は、「よろず」の名のとおり何でもありです。医療・介護のこと以外でも、離婚問題や遺産相続、お墓のこと、大家さんとのトラブルや騒音問題などです。1回の相談で終わらない場合は継続して相談にのり、後日の訪問や生活保護申請のため区役所へ同行することもあります。
 昨年10月からは、品川区でも「よろず相談」をと、ゆたか診療所でも保健生協理事長、元グループホーム所長(看護師)、五反田法律事務所の弁護士による取り組みを開始。「よろず」相談担当者の交流会では、事例の検討や学習を行い、相談担当者間の連携強化を図っています。
 私たちがめざす「あるべき地域包括ケア」をすすめる上で、地域の窓口としての「よろず相談」と、行政を含めたあらゆる連携の構築は重要です。(城南保健生協・野口修二)

 

この1年間で相談235件 健友会

 健友会では、2010年10月からほぼ毎月「無料街頭なんでも相談会」を続け、健友会職員、区議会議員、弁護士など15~20人で相談に応じています。
 直近1年間の相談会で、のべ196人から235件の相談が寄せられました。相談内容は大きく分けると3グループ。一つ目はいわゆる医療相談。二つ目は、暮らしや仕事・住居など生活基盤に関わる問題。三つ目は法律相談です。
 医療・介護の相談に訪れた人の4分の1近くが、他領域の問題を抱えていて、その多くが生活の基盤や生存に関わるものでした。生活に困窮し生活保護申請を要する状態であっても、その場で申請の意思を確認できたのは、12人のうち半分の6人だけでした。
 若年層ほど、生活保護申請の意思決定が困難であるという傾向がみられ、生活保護バッシングや「自己責任論」の影響と考えられます。
 経済的理由から受診を控え、重い治療費の負担のため治療の継続が困難になるなど受療権が侵害されているケースもあり、民医連綱領にある「無差別・平等の医療と福祉の実現をめざす」を実践する活動として今後も続けたい取り組みです。(中野共立診療所・松本明彦)

 

月1回合同で駅頭宣伝行動 東京西部保健生協と健友会

 医療・介護などの社会保障の充実や原発ゼロ、憲法改悪を許さないなど多岐にわたる社会保障と平和をめぐる問題について、2012年6月より東京西部保健生協と健友会と合同で、月1回駅頭宣伝行動を実施しています。
 安倍内閣は、医療・介護総合法を多くの国民の反対の声を無視して成立させました。介護保険では「要支援者」への訪問介護・通所介護を介護保険サービスから外し、市町村による安上がりの事業に移行。事業費に上限を設けるなど費用を徹底削減し、特別養護老人ホーム入所者を原則、要介護3以上に限定するなど制度発足以来の大改悪です。
 医療・介護総合法は「介護難民」「老人漂流社会」を深刻化させ、患者と高齢者の症状悪化を加速し、医療・介護保険の財政をさらに悪化させるのは必至。個人や家族に負担と犠牲を強いる「自己責任の社会保障」ときっぱり決別することが求められます。
 憲法25条にもとづき国が社会保障の向上・増進に責任を持ち、国民の生存権を保障する政治への転換がいよいよ急がれます。(東京西部保健生協・山本陽平)