東京民医連

東京民医連のご紹介

みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

民医連の研修広い目でとらえ 全医師集会

医師養成の歴史に確信

 「セッティング(目標)は高く」「どうせやるなら他にはない民医連らしい研修を」。5月31日、全医師集会での記念講演は、来年度の臨床研修必修化を目前にして、参加者を励ますものでした。あわせて今年入職の医師を歓迎するレセプションが行われました。

 今年の全医師集会は、来年度の研修医受け入れにむけた届出準備が大詰めを迎える中、あらためて東京民医連の臨床研修を広い目でとらえようと企画。講師の聖隷三方原病院・川西秀徳副院長は、長年アメリカの大学病院で臨床研修・教育に携わり、要職を歴任。

医療の質と研修は同じ課題

 今回のテーマは「民間病院におけるWORLD CLASS臨床教育へのパス」。アメリカでの医療と研修に触れながら、「21世紀の医療システムが達成すべき目的」として①安全性②有効性③患者中心思考④適時性(待ち時間の短縮など)⑤効率性(無駄の排除)⑥公正性(医療の質の標準化)の6つを紹介。
 これを達成できるよう、医療の質を向上させること。「臨床研修はいかに医療の質をレベルアップさせるかという課題と一体のもの」で、それには「医師だけでなく、看護師や他の職員教育も同時に生涯教育として、常に学ぶ姿勢を貫いてこそできる」と。病院の管理者はどういう医療をめざすかという理念を明確に示し、そこに向けて職員全体が向上していくために力を注ぐ必要があると、説得力のある話が展開されました。

民医連の理念アピールして

 また全国の病院がいっせいに研修プログラムを示し、医学生にアピールしていく中では、「他の病院とはここが違う」というものをはっきり打ち出すことが必要で、「民医連は地域の人々の病院という優れた理念を持ち、その医療に協力してくれる地域とのつながりがある。それは大きな魅力になりうるはず」と。
 あわせて「良い教育・研修は、臨床指導医の情熱と使命感に支えられている」と、指導医の重要性についても強調。また「地域の民間病院では、全人的医療をおこなえる総合内科医の育成に力を入れるべきだ」と。
 それはまさに、これまで民医連が30年以上にわたってめざしてきた医師養成の方向とも重なり合うもので、民医連研修の歴史にあらためて確信のもてる話でした。